Catholic Diocese of Nagoya

福音のひびき

The sound of the gospel

年間第27主日

2024年10月06日

福音箇所 マルコによる福音書10・2-12

〔そのとき、〕ファリサイ派の人々が近寄って、「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と尋ねた。イエスを試そうとしたのである。イエスは、「モーセはあなたたちに何と命じたか」と問い返された。彼らは、「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」家に戻ってから、弟子たちがまたこのことについて尋ねた。イエスは言われた。「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」

メッセージ

担当者 東山教会 伊藤大有

今日の福音、よく結婚式で読まれる福音の個所です。結婚している大先輩から時々「結婚なんて最初の数か月だけ楽しいけどあとはそんな楽しいもんではない」とか「一人の方がずっと楽だ」とか「今度生まれ変わったら絶対結婚なんてしない」とか、ないものねだりで結婚に幻想(?)を抱く私にとっては夢を壊される話です。自分はご夫婦がスーパーなどでその日の夜のお買い物をし、ご主人が買い物かごをもって、奥さんがそこに食材を入れる、という姿にあこがれを抱いたものでした。

しかしながらこの結婚という絆の中で最初に人間が誕生してからの連鎖の中で私がここにいるのはそのきずなが一つでも外されればなかったわけで、そのようなことを考えるととても神秘的なことです。

ところで36.8%の法則というのをご存じでしょうか。私の好きな確率論の専門家マーティン・ガードナー氏が考案した法則ですが、最初の36.8%の中で一番良かった人」を上回る候補者にめぐりあったら、その人こそあなた が選ぶべき相手です!というものです。

真のNo.1がj番目に現れるとして、お見合いの最大数をnとする。(s-1)人目までは、データ収集のみを行い、s人目からは、データと比較し高い方を選ぶ。1位の人を確実に選ぶために

P(s,n)=1/n{Σ^(j=s-1)_(j=1) 0+Σ^(j=n)_(j=s) (s-1/j-1)}

=s/n(1/s-1+1/s+1/s+1+…+1/n-1)

ここでnを十分大きくするとこの値が最大になるときは微分により1/e (eはネイピアの数)で約0.368になります。

これは何が言いたいかというと、初期の36.8%ぐらいのところからすでに一番の人と自分が思う人がいればそのひとと結婚することをきめてしまえば最愛の人を決めることができるということです。私たちは何かとそのあとにすごいいい人が表れるのでないかと期待してしまいますが、自分がこうだと早めに決めても実はそれが最愛の人であることは大きいということです。それがたぶん神様の呼びかけであり、それに素直に従うことはやはり大切なことなのではないかと思います。

この自分のベストの選択というのは結婚だけでなくいろんなことに言えることだと思います。自分が後ろを振り向くときそこにはなかなか真実がみえてこないこともあると思います。人間関係で私たちは多くの友人と出会います。その出会いは70億分の1ともいわれるなかでその神様から与えられた関係を構築していくことはとてもたいせつなことなのではないかなと思います。神様の声に聴き従い自分の心を常に開き素晴らしい生き方ができるように常に神様のみ旨を問い続けていきたいと思います。