福音のひびき

良いお知らせや喜びのメッセージを聞いたり、受け取ったりすることは、誰もが望むことです。良いお知らせを受け取ることは、私たちがどんな困難の中でも生き延び、あるいは勝利することを可能にするある種の力を与えてくれるのです。喜びのお知らせを通して、人はまたその同じ喜びの中で生きていくための新しい力や希望を得るのです。

今日のルカによる福音書は、イエスが弟子たちに復活の姿を現された時の場面が語られています。弟子たち、そしてイエスを救い主として期待していたすべての人々にとって、それは大きな喜びのお知らせだったに違いありません。敬愛する「師」が十字架上で拷問(ごうもん)にかけられ死に至るのを目撃し、一度はほとんど打ち砕かれそうになってしまった希望。復活したイエスの姿を目撃した後、弟子たちによって再び燃え上がった希望。信じる者すべての救い主であるという喜びの希望です。そのような神の揺るぎない愛は、私たちを決して見捨てることはありません。

また、イエスの復活が良き知らせであるという場面は、私たちキリスト者にとっての召命を暗示しているとも言えます。今日のルカによる福音書の最後に、イエスは弟子たちに「あなたがたは、これらのことの証人となる」と言われています。つまり、私たち一人ひとり、死に対するイエスの勝利の証人となるのです。栄光のうちによみがえられた人間の罪の救い主としてのイエスの証人です。それゆえ、弟子たちに対するイエスの証人となるというメッセージは、キリスト者である私たちに、社会生活においてキリストの証人になるという、容易ではないかもしれない召命でもあることに気づかせてくれるのです。つまり、私たちが出会うすべての人に対して、良い知らせの証人となり、伝え手となることです。

イエスの弟子である私たちは、日々の生活の中でどのようにイエスの証人となれるのでしょうか？キリスト者である私たち一人ひとりは、隣人に対して生きた模範となることを求められています。そして、その模範の源は、イエス・キリストご自身の生き方なのです。私たちは、イエス・キリストとの出会いや体験を通して、イエス・キリストを模範として、あらゆる出来事を理解することができます。私たちの人生に対する神の尽きることのない愛を経験するのです。私たちが同じ罪に陥らないように、どのように私たちを支えてくださるのか、どのように私たちの罪を許してくださり、そして喜んで受け入れてくださるのかなどです。このようなイエス・キリストとの出会いと体験を通して、私たちは他の人々にキリストの良い知らせの証人となることができます。