Catholic Diocese of Nagoya

福音のひびき

The sound of the gospel

年間第13主日

2025年06月29日

福音箇所 ルカ 9・51-62

イエスは、天に上げられる時期が近づくと、エルサレムに向かう決意を固められた。そして、先に使いの者を出された。彼らは行って、イエスのために準備しようと、サマリア人の村に入った。しかし、村人はイエスを歓迎しなかった。イエスがエルサレムを目指して進んでおられたからである。弟子のヤコブとヨハネはそれを見て、「主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と言った。イエスは振り向いて二人を戒められた。そして、一行は別の村に行った。一行が道を進んで行くと、イエスに対して、「あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言う人がいた。イエスは言われた。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」そして別の人に、「わたしに従いなさい」と言われたが、その人は、「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」と言った。イエスは言われた。「死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。あなたは行って、神の国を言い広めなさい。」また、別の人も言った。「主よ、あなたに従います。しかし、まず家族にいとまごいに行かせてください。」イエスはその人に、「鋤に手をかけてから後ろを顧みる者は、神の国にふさわしくない」と言われた。

メッセージ

担当者

二人は福音宣教のため、教会のために命を捧げた“

皆さん、今年の聖ペトロと聖パウロ使徒の祝日は年間節第33主日に当たり、今日のミサに参加する信徒の皆さんに聖ペトロ使徒座への献金をして頂くことで、皆さんの献金が新しくなられた教皇さまの助けになると思います。聖ペトロと聖パウロ使徒はそれぞれの主イエスに出会ったことがありますが、主イエスに出会ったことによって、二人は主イエスから福音宣教を受け継ぎ、出会う人々に主イエスの福音を告げ知らせ、キリスト者になった弟子たちを力付け、主イエスの名によって病気の人を癒しました。聖ペトロと聖パウロ使徒の祝日をお祝いするのは258年頃から始まり、今日まで私たちも聖ペトロと聖パウロ使徒の祝日をお祝いしています。ご存知のように使徒パウロは主イエスの十二人の使徒団に加わってなかったのに、なぜ、聖ペトロと聖パウロ使徒の祝日を同じ日にお祝いするのでしょうか。二人はカトリック教会にとって大切な人物であり、福音宣教のために働いた二人が互いに教会のために一致し、異邦人に福音を宣べ伝え、教会が異邦人に扉を開く方針をつらぬいたからです。聖ペトロと聖パウロ使徒は福音宣教のために命を捧げられたので、二人の祝日を同じ日にお祝いするのが望ましく思いますが、けれども二人は違う時に苦しみ殉教という道を通してで主イエスの使徒として務めを全うされました。今日のミサの中で朗読の御言葉は聖ペトロの信仰の告白と福音宣教のために働いた聖ペトロと聖パウロ使徒について読まれました。今日、マタイ福音書は「主イエスは、人々と自分の弟子たちが何者だと言っているのかを知るために弟子たちに尋ねられたこと」が描いています。主イエスに病気を癒された人や主イエスが行われた不思議なことを見た人、主イエスの教えを聞いた人々は主イエスが洗礼者ヨハネであり、エリヤであり、エレミヤであり、預言者の一人であると言いました。主イエスは人々が人の子を預言者の一人であると言ったのをご存じになりました。さらに、主イエスは「それでは、あなたがたはわたしを何者だというのか」と弟子たちに尋ねられると、シモン。ペトロが「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えました。主イエスは「シモン。バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ」とペトロにお答えになりました。シモン。ペトロは主イエスをメシア、生ける神の子として認め言い表すことができるのは、御父の恵みによるものです。「あなたはメシア、生ける神の子」というペトロの信仰の告白は、現代の教会の信仰の告白になります。主イエスはペトロの信仰の告白を聞いて、シモン。バルヨナと名をペトロに変えられ、この岩の上に教会を建てます。ペトロの後継者として選ばれる新教皇は枢機卿としての名前から新しい名前を選びます。そして、今日の第一朗読は使徒たちの宣教から取り上げ、初代教会の人々がヘロデに迫害され、ヤコブを剣で殺し、ペトロを牢に入れられたことを語って下さいました。教会の信者はペトロが牢に入れられたことを知り、ペトロの為に熱心な祈りを神に捧げました。主なる神はペトロを牢から救い出すために天使をお遣わしになり、天使に導かれて、牢から救い出されたペトロは「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのです」と言われたのです。そして、今日の第二朗読の中で、使徒パウロは「わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にあるご自分の国へ救い入れて下さいます」とテモテに伝えられました。すなわち、第一朗読と第二朗読はペトロとパウロが主イエスの証人としての務めを果たすために、福音をすべての民族に宣べ伝えるために迫害を受けたり、牢に入れられたりし、危うい所から主なる神に救い出されたことを語られました。聖ペトロと聖パウロ使徒の祝日をお祝いする私たちは今日のミサの御言葉のメッセージを聞いて、聖ペトロと聖パウロ使徒の模範に学び、日々の生活の中でどのようにして主イエスの証人としての務めを果たしていくことができるでしょうか。まず、私たちは聖ペトロと聖パウロ使徒のように主イエスがメシア、生ける神の子であると信じて、その主イエスへの信仰が揺るぎなく保つように招かれています。揺るぎない信仰がひとり一人の心にあれば、私たちは人生の中に試練や絶望、疑問が繰り返し起こっても主イエスに信頼して絶え間なく熱心な祈りが捧げられたら、主イエスに助けられ、人生の色々な波を乗り越えることが出来ます。次に、私たちは神の御言葉に根ざすように招かれています。神の御言葉、福音には神の知恵、神のみ旨があるので、私たちは神の知恵、神のみ旨を知るために神の御言葉、福音を読みましょう。福音を読まなければ、主イエスの生涯は分かりません。福音を読めば、主イエスの生涯をよりよく知り、それを信じて、信じることで日々の行いと言葉を通して証しすることができますように。次に、私たちは主イエスがメシア、生ける神の子であると信じ、日々、信仰に生きる者となり、人々に信仰を証しするように招かれています。信仰の証しは話すより自分の信仰の体験を日々の行いを通して示すことができると思います。皆さん、聖ペトロと聖パウロ使徒は信仰をもって主イエスの招きに答え、主イエスへの信仰に助けられて力強く福音をすべての民族に述べ伝え、教会のために生涯を捧げられたように現代教会に属する私たちも信仰をもって洗礼を受けたことによって教会の一員となり、同時に主イエスの福音を宣べ伝える義務があります。それぞれの信者の生き方を通して福音が宣べ伝えられることによって目に見えない神の国のしるしである教会がよりよく広めていくことでこの世に神の国が実現するために役立つことが出来ますように。「教会の頭である主イエス。キリストよ、聖ペトロと聖パウロ使徒のように私たちが現代の社会の中にあなたの御国を建設することができるように知恵と助けの恵みをお与えください」と願い祈り求めましょう。主イエスの祝福と恵みが私たちの上にありますように。