Catholic Diocese of Nagoya

福音のひびき

The sound of the gospel

年間第31主日

2024年11月03日

福音箇所 マルコ12・28b-34

〔そのとき、一人の律法学者が進み出て、イエスに尋ねた。〕「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

メッセージ

担当者 神言修道会 コンディ・ニコラウス神父

昨年、フィリピンで神言会の宣教師であるD神父様に出会いました。D神父様は約40年間フィリピンのミンドロ島の先住民族のマンギャン族なために宣教活動をしています。マンギアン族の人々はほとんど山で暮らし、経済的の面や教育的なの面で恵まれていない人たちです。、D神父様は85歳の年齢にも関わらず、今でもマンギアンの族の人々のために司牧活動をしています。彼は多くのマンギアン族の子供たちのために学校を建ってました。またマンギアン族の子供たちのために寮をも作りました。D神父様のお陰で経済的な理由で学校へ行けないマンギアン族の子供たちは学校に行けるようになりました。D神父様の語ってくれた言葉を思い出しています「愛情を伴わない宣教活動は失敗に終わってしまうんだよ。今の宣教活動を続けることが出来るのは愛情があるからです。」

今日の福音はイエスが律法学者との対話を通してもっとも重要な掟私たちに示しています。この箇所ではイエスが第一朗読の申命記の言葉を引用しながら語ります「第一の掟はこれである。。。心を尽くして、精神を尽くして、思いを尽くして、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。「第二掟はこれである。『隣人を自分のように愛し合いなさい。』

イエスは第一おきてである神に対する愛と第二おきて隣人に対する愛は深い関係があるということを示しています。この二つのおきては切り離してはいけないし、区別することもできません。隣人を愛することなくして神を愛することはできません。また神を愛する人はかならず隣人を愛するのです。ヨハネ手紙一、4章20節は「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です」とあります。明らかにイエスはすべて律法が愛に基づいていくものであることを示しています。

私たちはそれぞれの場所に置かれて、それぞれの責任と使命があります。それらの責任や使命は単なる義務や規則ではなくて愛情に基づいて責任や使命を果たすべきです。この行動によって、私たちは神様との関係を深めていくことになり、他者との関係も豊かになると確信します。