Prot.No.26/2024
2024年5月9日
皆さまへ
教区司教 松浦悟郎
能登半島地震被害についての報告と対応(6)
+主の平和
能登半島地震から4か月が経ちました。私はまず皆さんに感謝したいことは、多くの祈りと全国からの毎日のように届く義援金です。教会や諸団体から、そして、個人から本当に北海道から沖縄まで、また海外からも善意が届き、どれほど多くの人たちに支えられているかを痛感しています。この場を借りて、まず心から御礼申し上げます。
現地の状況ですが、報道等でご存じのとおり、水道などのインフラは少しずつ改善されてきてはいるものの、特に能登の北部の被災地や液状化の被害が大きい内灘の一部では壊れた家屋の解体どころか撤去さえ進んでいない状況にあるので、再建には相当な時間がかかることが予想されます。県が建設する仮設住宅は4月末時点で3368戸が完成しましたが、県はさらに8月中に約6400戸の完成を目指しています。4月30日時点で4606人もの人たちが学校や、被災地から離れたホテルなどでの避難生活を余儀なくされています。
今後の教会復興について
今後、教会の復興指針や集まった義援金の使途については、いずれ詳しい報告をさせていただきますが、今日は大きな方向性のみお伝えしようと思います。
4月末までに名古屋教区に寄せられた義援金は1億4千万円を超えました。これらの義援金は、取り急ぎ、被災された信徒の方々への一時金や物品購入のため、また、司牧協力に駆けつけて下さった司祭の人件費やその他諸経費のために支出しているところです。今後は、地震のダメージを受けた教会建物の修復や建設、地割れした敷地の整備などに使うことになるので、建物診断や土地の調査と見積もりをし、何をどこまで修復、再建するかを検討している最中です。
今後の地域支援体制について
教区は、カリタスジャパンの支援を受けて地域の人々のための活動をしています。ボランティアの拠点として、これまでは羽咋(はくい)教会を女性のためのベースにしていましたが、今は、男女とも七尾教会に宿泊できる場が整いましたので、そこから七尾市近郊や輪島市まで活動を広げているところです。
発災当初から協力して下さっていたカトリック中央協議会のERST(緊急対応支援チーム)の派遣は原則3か月(4月12日まで)となっていましたが、派遣延長をお願いし、更に3か月の派遣を了承していただきました。ただ、これまでのような全面的なサポートではなく、必要に応じた関りやアドバイスをしてくださるとのことです。また、長期間、支援活動をしてくださったフランシスコ会の元田勝哉神父様も5月12日をもって派遣期間を終え、また神言会のインセン神父様も5月末日で終了することになっています。このように、支援体制も少しずつ変化していきますが、発災から4か月経った今、これまでの緊急の支援体制から復興に向けての継続的な復興支援体制を作っていく段階に入っています。今後、必要となるスタッフ、ボランティアなどについては近いうちに改めてお知らせしたいと思います。
以上